■ システム金融とは
● 手口
今、地方の中小事業者を倒産に追い込んでいるもっとも危険な闇金融は、ニュータイプのシステム金融です。 その実態は、これまでなかなか明らかになっていませんでした。 そこでどのような仕組みで融資が行なわれているのか、また、彼らがどうやって利益を出しているのかを具体的な数字を示す事で暴いていきます。 まず、下の図を見て頂けますか。 これは、毎週支払うタイプのシステム金融です。 50万円借り入れた場合、毎週15万円ずつ4回で支払う事になりますから、利率は月2割となります。 利息自体は、システムとしてみた場合には安い部類に入ります。(システムは通常、月5割を超えます)。 担保は日付未記入の手形又は小切手と言うのが普通です。未記入であるのは、再貸のかたちで決済日が未定だからです。 この金融の特徴は再貸しにあります。15まんずつ2回払うと、残額は30万円システムに手を出すくらいだから、金繰りは苦しく、2回支払った段階で、アップアップになってきます。 そこで、業者は20万円の追い貸しをします。すると、また15万円ずつ4回支払うことになります。 業者から見ると、最初に出した50万円のうち30万円が手元に戻っていますが、ここで20万円を出すから実際には10万円しか戻らない事になります。
このような金融業者がどうやって利益を出すのか謎だった点もここにあります。だが、表を見て頂ければわかりますが、30万円の追い貸しを繰り返すと、その度に10万円ずつ回収されるから、3ヶ月後には元金が完全に回収され、それ以降は2週で10万円の利益が生まれます。(月20万円)。 こうした業者は、単独ではなくグループで活動し、数社がこのシステムで一つの事業主に襲いかかってきます。気がつくと、毎月100万円以上の支払いにまで追い込まれ、ほとんどのケースで半年程度で倒産へと追い込まれてしまいます。 もう一つは、年利が100%を超えるシステム。月利9%というのは、高利貸しの中では安く感じられるのですが、表からわかるように、決して楽な支払いではありません。 しかも、この金融の場合、媒介業者が入るので、最初の段階で手数料5%が天引きされるから、実際には月14.73%もの高利になっています。こちらのシステムは3種類の人間で構成されています。
1. 実際に金を貸す業者
2. 媒介する業者(ほとんどが同じグループ)
3. そして年利100%を超える回収を見込んで出資する業者
さらに、もう一つたちが悪いのは貸出額10万円と言う例があるように、法人だけではなく個人までも対象としている点にあります。 サラ金から借りられなくなった人が訪れる店のかなには、当然こうした業者が紛れ込んでいる。年利100%を超えると聞けばしり込みするかもしれませんが、月9%(実際は14.73%)ならば払えると言う錯覚をも狙っています。 こうした仕組みはほとんど表に出ません。ぜひ、下の表をじっくりと眺め、その恐ろしさを数字からも読み取って欲しいです。
もし、ひっかってしまったらはやめに専門家に相談してください。
また引っかかってしまいましたら体力があるうちに自己破産や特定調停制度等をお勧めします。
表
元金50万 | 回収金 | 再貸 | 回収残金 | 残元金 | 支払回数 | 元金回収の累計 |
2週 | 30 | 20 | 10 | 30 | 15×2 | 10万円 |
4週 | 30 | 20 | 20 | 30 | 15×2 | 20万円 |
6週 | 30 | 20 | 30 | 30 | 15×2 | 30万円 |
8週 | 30 | 20 | 40 | 30 | 15×2 | 40万円 |
10週 | 30 | 20 | 50 | 30 | 15×2 | 50万円 |
12週 | 30 | 20 | 60 | 30 | 15×2 | 60万円 |
14週 | 30 | 20 | 70 | 30 | 15×2 | 70万円 |
16週 | 30 | 20 | 80 | 30 | 15×2 | 80万円 |
18週 | 30 | 20 | 90 | 30 | 15×2 | 90万円 |
20週 | 30 | 20 | 100 | 30 | 15×2 | 100万円 |
22週 | 30 | 20 | 110 | 30 | 15×2 | 110万円 |
24週 | 30 | 20 | 120 | 30 | 15×2 | 120万円 |
26週 | 30 | 20 | 130 | 30 | 15×2 | 130万円 |
28週 | 30 | 20 | 140 | 30 | 15×2 | 140万円 |
30週 | 30 | 20 | 150 | 30 | 15×2 | 150万円 |
(15+15)-20(=10
20(+(15+15)(=50( |
| 月額9% 100000-109000 |
月額9% 500000-545000 |
月額9% 300000-327000 |
日賦金融利率と同じ 日歩0.3%月額 |
1回目 | 27000円 | 136000円 | 81000円 | 元利均等分割払い |
2回目 | 27000円 | 136000円 | 81000円 | |
3回目 | 27000円 | 136000円 | 81000円 | |
4回目 | 28000円 | 137000円 | 82000円 | |
引上再貸 | 27000+27000 40000円 再貸 | 136000+136000 202000円 再貸 | 81000+81000 122000円 再貸 | 再貸金は追加投資の為 債権全額を入れ替え役資する |
予定期間 | 5〜6日入れ 28〜30日 | 5〜6日入れ 28〜30日 | 5〜6日入れ 28〜30日 | 期間は資金化7〜8日を 前提とし、当座決済とする |
実行 | 95000円 | 475000円 | 285000円 | 媒介料内引5% |
109000円÷95000円=14.73% 1ヶ月払い |
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