●共存共栄などありえません
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こうしてみていくと、闇金の設定するような条件では中小企業は生き残れるわけがない事がわかります。
共存共栄などありえないのです。そして時に、闇金は顧客から何を得ようとしているのかが、わからなくなる事があります。すなわち、顧客を生かして取ろうとしているのか、あるいは又、顧客を殺して連帯保証人から取ろうとしているのかがです。
これは、闇金のような業者にも二つのパターンが在ると言う事でしょう。生かして主債務者から取ろうとする業者と、殺して連帯保証人から取ろうとする業者の二種類です。そしてまた、前者は途中で後者に戦略的方法を変える事もありえると言う、複雑な事になっているようにも見えます。生かして取ろうと言う方法は、短期的に取れるだけとって、後は一切ケアをしないと言う事であり、殺して取ると言う方法は、連帯保証人の財産に期待すると言う事なのでしょうか。
たしかに、現実に闇金の戦略を見ていると、現場の対応に定見は感じられません。それは、闇金が本質的にアウトローだと言う事でしょう。サラ金の貸倒率は「1%」程度だと言われているが、考えてみれば、彼らの利率がその30倍だとしたら、貸倒率もその30倍であって、バランスが取れる事になるわけですから30%の貸倒率で辻褄が合う事になります。
なんと、貸倒許容率は「30%」すなわち3件に1件が貸倒になっても成立する産業と言う事になる。やはりどう考えても闇金と接点をもたないようにしなければ、中小企業が存続できなくなる事は明白でしょう。
最後に、きわめて面白いエピソードを披露します。まれに、債務者の自宅不動産で闇金同士がぶつかり合う事があると言う事です。つまり、闇金同士が債務者の書いた「承諾書」をもって、にらみ合うと言う事が起こるのです。
そんな時の決着は、闇金の上部構造の力関係で決まります。それは「任侠系」か「半島系」かになる事が多そうです。ということは闇金自身も最終的にはそうした上部構造と関係を結んでおかなければ、生き残れないと言う事になるのではないでしょうか。
もっと言えば、闇金はそうした上部構造から無縁ではいられないと言う事なのです。闇金のそうした側面と、利息制限法に違反している事をわかっていながら税金は取ると言う国と、はたしてどっちがしたたかなのでしょうか。
考えさせられますね・・・・
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