約束違反がないかを確かめる


内容証明郵便を受け取ったら、落ち着いて良く読む事です。こちらがはに内容証明郵便の指摘する約束違反がないかどうかを考えます。もし約束違反の点があったら、その約束を実行し、相手の出方を待ちます。特に注意しなければならないのは、借地人や借家人が賃料を滞納している場合です。
● 内容証明郵便に対して返事は!?
内容証明郵便を受け取った場合にも、すぐ返事を出す方が良いのでしょうか。内容証明郵便はトラブルを前提にした手紙です。友好関係にある場合の手紙とはちょっと違います。内容証明郵便が来たからといって、いちいち返事を出さなければならないものではありません。
何か言い返さねば腹の虫が収まらないのか、黙っていると相手の言い分を認めた事になると思い込んでいるのか、あわてて長い反論の手紙を出す人がいます。これは、まずいやり方です。金銭の請求やものの引き渡しの請求などの内容証明郵便に対して、返事を出さなくても、相手の言い分を認めた事にはなりません。それに差出人側は、相手方がなにを考えているのか、どんな証拠を持っているのかわからない時、探りを入れる為に内容証明郵便を出すケースもあります。
そんな場合に、受取人が長々と返事を書いて出したら、差出人側の思うつぼです。トラブルというのは、お互いに有利な材料と不利な材料の両方を持ち合っているものです。法律の素人が、言い返さなければ気がすまないとばかり長々と書いて、かえって自分のマイナス材料を敵方に知らしめる事があります。返事は不要といいましたが、金銭請求やものの引き渡しを請求する内容証明郵便の末尾に、こんなもんが書かれている事があります。
「本書面到着後5日以内に貴殿からの回答がない場合には、当方の言い分を承認したものとみなしますから、ご了承ください。」
こんな内容証明郵便が来ると、返事を出さなければという衝動に駆られます。しかし、そんな事を書いても、何の意味もありません。この内容証明郵便の受取人が返事を出さなかったとしても、別に差出人の言い分を認めた事にはならないのです。
内容証明郵便に対して返事を出さないのも一つの戦術だといいましたが、その作戦を取った場合、注意する事が2つあります。
1.返事を出さない事と、何もしないで放っておく事とは違うという事です。
内容証明郵便がきたら、返事を出すか否かにかかわらず、自分の方に内容証明郵便の指摘する約束違反がないかどうか確かめ、約束違反があれば、約束を実行しておく事が必要です。
2.返事を出さないでいると、差出人は最終的には裁判手続きを取るか、諦めてしますかのどちらかになるという事です。


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